海外の木工を学ぶ+日本の木工を発信する

ものづくり講座の久津輪です。森林文化アカデミーでは、学生たちに広い視野を持ってもらうため、海外のさまざまな木工家や木工の学校とより積極的につながりを深めようと考えています。

実はこれまでも海外の「森林文化」を学ぶため、在校生や卒業生を連れてイギリスやアメリカへ視察に出かけてきました。視察先で講演や実演を行ったこともあります。

ブライアン・ボグズの工房訪問(2009、アメリカ)。
ブライアンはアメリカのFine Woodworking誌にもたびたび記事を執筆する著名な木工家。

ドリュー・ランズナーのウィンザーチェア講座に参加(2009、アメリカ)。
ドリューは多くの著書があるアメリカの著名なグリーンウッドワーカー。

マイク・アボットの椅子づくり講座に参加(2011、イギリス)
マイクはイギリスのグリーンウッドワークの第一人者。

竹細工の実演、講座の開催(2013、イギリス)
バスケットの祭典に、世界各地の作り手とともに卒業生の鬼頭伸一さんと私が招待された。

アメリカやイギリスのグリーンウッドワークの教室では、夏の忙しい時期に若いインターン生を受け入れるのですが、「日本からも歓迎だよ」と言われている工房もあります。アカデミーで木工を学んだ上で海外研修を希望する学生には、こうした海外の木工講座や海外インターン先もどんどん紹介していこうと思います。

日本の木工技術の高さは海外の木工家たちにとても良く知られており、木工道具の愛好者も非常に多いのですが、日本から海外への情報発信は非常に限られています。一方、木工の雑誌やビデオなどの情報発信はアメリカやイギリス発が中心で、日本にも多くの読者がいます。歴史や技術は欧米にひけを取らないのに、情報は一方通行に近いのです。

海外の木工から学ぶとともに、日本からも情報発信しようと、ここ数年、イギリスの雑誌に記事を書き続けてきました。去年取り組んだ「ゴッホの椅子づくり」は3回の連載記事となり、うち2回は表紙も飾りました。
1号は、日本で最初の木工芸の人間国宝、黒田辰秋が1967年にスペインのゴッホの椅子職人を訪ねた際に撮影したもの(撮影は息子の黒田乾吉)。
もう1号は、ずいぶん格が下がりますが(笑)私です。

Living Woods Magazine(イギリス、2013年11〜12月号)。

Living Woods Magazine(イギリス、2014年5〜6月号)。
合成写真ではありません!


この記事がきっかけで、イギリス、アメリカ、オーストラリアから感想や問合せが多数ありました。ゴッホの椅子づくりは、世界で静かなブームになりつつあります。

先日のブログにも書きましたが、次は日本発の「削り馬」のデザインについて書く予定です。


情報発信のおかげで、海外から森林文化アカデミーの視察に来る人もいます。
実は10月にも、オーストラリアとアメリカの木工学校の代表者が来る予定で、せっかくなので向こうの学校についてのスライドショーをお願いしました。先方には快諾していただいたので、一般の人にも見ていただけるよう生涯学習講座として開講しようと思い、いま準備中です。改めてご案内します。お楽しみに!

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